Type-X1
Type-X1(以下、本タイプ)の基本的な提供構成と仕様を示します。本タイプは標準で冗長構成を提供します。
制限事項
- 本タイプは構内回線接続のみの提供です。
- セカンダリポートを主たる接続として常用することはできません。
- 複数の本サービスを冗長化する場合、別途マルチホームオプション契約が必要です。
物理層
物理層(レイヤー1)の仕様は以下のとおりです。
収容スイッチそれぞれにお客様ルータが1台ずつ接続する構成です。
提供データセンター及び、インタフェース
構内回線接続
構内回線を利用して接続可能な提供データセンター及びインタフェースは以下のとおりです。
提供データセンター |
10BASE-T 100BASE-TX |
1000BASE-T | 1000BASE-LX | 10GBASE-LR |
---|---|---|---|---|
千葉2 | × | × | ○ | × |
インタフェース及び設定
お客様ルータに必要なインタフェース、コネクタ形状、Speed/Duplex設定は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
IIJ収容設備インタフェース | 1000BASE-LX |
IIJ収容設備コネクタ | SC |
IIJ収容設備ケーブル | シングルモード ファイバ2芯 1条 |
お客様ルータ※1インタフェース規格 |
1000BASE-LX |
お客様ルータ※1コネクタ | SC (Subscriber Connector) またはLC (Lucent Connector) |
お客様ルータ※2Speed/Duplex設定 | Auto Negotiation/Auto Negotiation |
※1:キャリア回線を利用する場合は本サービス収容スイッチに終端するキャリア提供機器に相当します。
※2:本サービスは、お客様が利用するルータの動作を保証しません。ルータの動作については、機器ベンダーにお客様自身で確認してください。
データリンク層
データリンク層(レイヤー2)の仕様は以下のとおりです。
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
スイッチポートモード |
アクセスポートまたはトランクポート |
多重拡張オプションまたは境界セグメント追加オプション利用時には、トランクポートのみを提供します |
トランクポート |
VLANタギング (IEEE802.1Q) |
- |
VLAN ID指定者 | 本サービス | お客様による指定はできません |
MTU | 1500 | お客様による指定はできません |
最大MACアドレス学習数 | 256 | - |
上限帯域設定 | 契約した品目に合わせて上限帯域を設定 |
多重拡張オプションを契約の場合、被接続先ごとに上限帯域を設定することができます。詳細は多重拡張オプションをご覧ください。なお、多重拡張オプション含めた合計は本タイプの契約帯域以下である必要があります |
制限事項
- 本タイプはSpanning Tree Protocol等のBPDUを検出するとインタフェースを閉塞します。自動復旧はしません。インタフェース閉塞が起きた場合は「IIJサポートセンター」へお問合せください。
- 本タイプは短時間に大量のBUM (Broadcast, Unknown Unicast, Multicast) トラフィックを検出すると破棄するstorm controlを実施しています。
- 本タイプのプライマリポートおよびセカンダリポートは、同一のレイヤー2ネットワークに接続しないでください。これにより、レイヤー2ループの発生を回避できます。
ネットワーク層
ネットワーク層(レイヤー3)の仕様は以下のとおりです。
本タイプは、IPv4アドレスのみ対応しており、IPv6アドレスには対応していません。
冗長化プロトコル
収容ルータはデフォルトゲートウェイの冗長化プロトコルとしてHSRPまたはVRRPを利用します。
境界セグメントでお客様ルータが以下の冗長化プロトコルを利用する場合は、IDが収容ルータと重複しないように設定してください。
プロトコル | ID | 収容ルータ設定 |
---|---|---|
VRRP | VRID | 100及び250から255 |
HSRP IPv4 | HSRP Group ID | 100及び250から255 |
HSRP version2 | HSRP Group ID | 100及び4090から4095 |
アドレッシング
アドレッシングの仕様は以下をご覧ください。
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
ネットワークアドレス(境界セグメント)の割り当て者 | お客様 | この値は変更できません |
ネットワークアドレス(境界セグメント)のサイズ | 規定値/29 |
/29から/24の範囲で選択できます。この値は変更できません |
収容ルータVIPアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+1 | この値は変更できません |
プライマリ収容ルータアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+2 | この値は変更できません |
セカンダリ収容ルータアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+3 | この値は変更できません |
お客様ルータVIPアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+4 | 機器冗長を行わない場合、お客様ルータのIPアドレスはお客様ルータVIPアドレスの割り当てのみを利用します |
プライマリお客様ルータアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+5 | - |
セカンダリお客様ルータアドレスの割り当て | ネットワークアドレス+6 | - |
収容ルータとお客様ルータの境界セグメントを192.0.2.0/29として、下記に例を示します。
小目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
収容ルータVIPアドレス | 192.0.2.1 |
192.0.2.0/29 +1 |
プライマリ収容ルータアドレス | 192.0.2.2 | 192.0.2.0/29 +2 |
セカンダリ収容ルータアドレス | 192.0.2.3 | 192.0.2.0/29 +3 |
お客様ルータVIPアドレス | 192.0.2.4 | 192.0.2.0/29 +4 |
プライマリお客様ルータアドレス | 192.0.2.5 | 192.0.2.0/29 +5 |
セカンダリお客様ルータアドレス | 192.0.2.6 | 192.0.2.0/29 +6 |
ルーティング
スタティックルーティング、もしくはダイナミックルーティング(BGP)のどちらか1つを選択できます。
スタティックルーティング
本サービスはお客様ルータのVIPをネクストホップとしてスタティックルーティングを設定します。
スタティックルーティングの設定値は以下をご覧ください。
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
ネクストホップIPアドレス | 境界セグメントのネットワークアドレス +4のアドレス | この値は変更はできません。本サービスからお客様ルータ宛通信のスタティックルーティングに利用します |
最大経路数 | 128 | 本サービスからお客様ネットワーク方向の最大経路数です |
ダイナミックルーティング
ダイナミックルーティングで構成する場合、本タイプはBGPを利用して、お客様ルータと経路交換をします。
BGPの設定値は以下をご覧ください。
項目 | 値 | 説明 |
---|---|---|
論理回線ペア(pvc)あたりのBGPピア数 | 2 | - |
AS番号(収容ルータ) |
AS65531 | この値は変更はできません。グローバルAS番号やお客様指定のAS番号は利用できません |
AS番号(お客様ルータ) | 規定値AS65300 |
AS65300-AS65309範囲で選択できます。グローバルAS番号やお客様指定のAS番号は利用できません |
ホールドタイム | 20秒以上 | この値は変更はできません。ホールドタイムが20秒未満の場合、BGPピアは確立しません |
キープアライブインターバル | 1秒以上 | この値は変更はできません。 |
MD5認証 | あり | BGPピアはMD5による認証が必要です。お客様機器の都合により利用できない場合、認証無しを認めます |
MD5認証キー割り当て者 | 本サービス | この値は変更はできません |
接続モード | passive | この値は変更はできません。収容ルータからBGPセッションを開始しません |
受信経路フィルタ | あり | この値は変更はできません。お客様が指定した経路と完全一致する経路に限り受信します。本タイプで割り当てたAS番号以外のAS番号をASパスに含む経路をお客様ルータが広報した場合、収容ルータは該当経路を無視します |
最大受信経路数 | 128 | - |
Community値 | 透過 |
この値は変更はできません。PBB連携サービスが付与したBGP Community値を受け取った場合、CPEにそのまま広報します |
下りトラフィック制御 |
あり | この値は変更はできません。プライマリ収容ルータは+1000、セカンダリ収容ルータは+1500のMED値を加算してPBBに経路広報します。お客様ルータから広報されるMED値に加算するため、下りトラフィックの制御ができます。お客様ルータにてPVA収容ルータに広報するMED値は同値を推奨します |
上りトラフィック制御 | なし | この値は変更はできません。優先制御の設定はありません。お客様ルータは収容ルータが広報する収容ルータの仮想IPアドレスをネクストホップとして通信します |