セットアップ手順 (Armadillo-IoT A6)

目次


初期セットアップ手順

ドキュメントについて

Armadillo-IoT A6 のご利用方法については、メーカー公式のドキュメントが公開されております。以下のサイトをご確認ください。
https://armadillo.atmark-techno.com/resources/documents/armadillo-iot-a6/manuals

ここでは、Armadillo-IoT A6 で IIJ IoTサービスを利用するための最小限の手順について、記載していきます。

使用機材について

Armadillo-IoT ゲートウェイ A6 C1モデル 開発セット  AG6110-C01D0

使用したOS・バージョンなど

Debian GNU/Linux 10 (Buster) 

用意するもの
  • Armadillo-IoT A6本体 および付属品(D-Subコネクタ変換ケーブル、USBシリアル変換アダプタ、シリアルクロスケーブル、ACアダプタ、LTEアンテナ)
  • インターネットに接続できる環境(有線LAN)
  • PC
ハードウェアのセットアップ
  1. Armadillo-IoT A6本体に SIM を挿入します。この際、SIMの切り欠きを奥にして差し込みます。
  2. Armadillo-IoT A6本体に LTEアンテナを接続します。
  3. Armadillo-IoT A6 本体に、D-Subコネクタ変換ケーブルのコネクターを接続します。
    D-Subコネクタ変換ケーブルの反対側のコネクターに、シリアルクロスケーブルを接続します。
  4. シリアルクロスケーブルの反対側に、USBシリアルを接続します。
    USBシリアルのUSBは、PCに接続します。
  5. Armadillo-IoT A6 本体にあるスイッチを、表記の方向(D-Subコネクタ変換ケーブルを左側にすると、スイッチを上方向)にセットします。

  6. PCからターミナルソフト(TeraTermなど)を起動し、シリアルポート(Armadillo-IoTに接続されているポート)に接続します。
    また、シリアルポートの通信設定を以下の通りに設定します。

    設定項目設定値
    スピード115200
    データ8 bit
    ストップビット1 bit
    パリティなし
    フロー制御なし
  7. ACアダプターを接続すると、起動します。
    ターミナルソフトの画面にOSの起動状況が表示されていることを確認します。
OS・ミドルウェアのセットアップ
パスワードの初期設定

Armadillo-IoTは、初期状態では root 及び一般ユーザーのパスワードが設定されていないため、初回ログイン時に設定を行います。

  1. login プロンプトから、ユーザー root パスワード root でログインします。
  2. ログイン後、パスワード変更が促されますので、画面表示に従ってパスワードを変更します。
  3. いったんログアウトします。
  4. login プロンプトから、ユーザー atmark パスワード atmark でログインします。
  5. ログイン後、パスワード変更が促されますので、画面表示に従ってパスワードを変更します。
  6. いったんログアウトします。
OSのアップデート

以下の手順でOSを最新状態にアップデートします。

  1. 有線LANに接続し、インターネットに接続できる状態にします。
  2. loginプロンプトから、root でログインします。
  3. 以下の通り入力し、OSを最新状態にアップデートします。

    apt update && apt upgrade -y
セルラー回線の接続の設定

セルラー回線の接続設定は /etc/aiot-modem-control/startup.conf ファイルに記述します。

  1. loginプロンプトから、root でログインします。

  2. 以下の通り入力します。

    vi /etc/aiot-modem-control/startup.conf
  3. ファイルが開いたら、部分を修正します。(以下は変更する項目だけを記載しております。他の項目はデフォルトのままで構いません。)
    修正後、ファイルを保存します。

    # apn= のあとに、APNを指定します(※)
    # "iot.iijmobile.jp" or "h.iijmobile.biz"
    apn="iot.iijmobile.jp"
    
    # auth_prot= のあとに、認証方法 "chap" を指定します。
    auth_prot="chap"
    
    # APNのユーザー名・パスワードを設定します。
    username="mobile@iot"
    password="iot"
    
    # operator_id を "auto" に設定します。
    operator_id="auto"
    
    # suspend を "disable" に設定します。
    suspend="disable"
    
    # psm を "disable" に設定します。
    psm="disable"
    
    # edrx を "disable" に設定します。
    edrx="disable"
    
    # auto_dial を true に設定します。
    auto_dial=true

    (※) 使用するSIMによりAPN設定が異なります。オンラインヘルプのモバイルアクセス「APN設定」をご参照ください。

  4. 変更した設定を有効化させます。
    以下の通りコマンドを入力します。

    systemctl restart aiot-modem-controld.service

    しばらくすると回線が接続されます。

  5. 回線が接続されたことを確認します。
    以下の通りコマンドを入力します。

    ip addr show ppp0

    以下の通り、ppp0のインターフェースが表示され、IPアドレスが取得できていることを確認します。

    4: ppp0: <POINTOPOINT,MULTICAST,NOARP,UP,LOWER_UP> mtu 1500 qdisc pfifo_fast state UNKNOWN group default qlen 3
        link/ppp
        inet 10.XXX.XXX.XXX peer 192.168.50.1/32 scope global ppp0
           valid_lft forever preferred_lft forever
有線LANとセルラー回線(ppp)の両立

デフォルトの設定のままだと、セルラー回線(ppp0)接続後に、有線LAN経由の接続ができなくなったり、もしくは逆にセルラー回線経由の接続ができなくなったりする場合があります。
以下の設定を行うことで、IIJ IoTプラットフォームへの通信はセルラー回線(ppp0)へ、それ以外は有線LANへ、それぞれパケットを送るような静的ルート設定が追加されます。

有線LANを使用しない場合は、この設定は行う必要はありません。


  1. loginプロンプトから、root でログインします。

  2. 以下の通り入力します。

    vi /etc/ppp/ip-up.d/static-route
  3. 以下の内容を入力し、ファイルを保存します。

    #!/bin/sh
    sleep 1
    /bin/ip route add 10.64.2.0/24 via 192.168.50.1
  4. 以下コマンドを実行し、作成したファイルのパーミッションを変更します。

    chmod 755 /etc/ppp/ip-up.d/static-route
  5. OS を再起動します。

    reboot
  6. 再起動したら、loginプロンプトから、root でログインします。

  7. 以下の通り入力し、静的ルート設定を確認します。

    route

    以下のように静的ルート設定が表示されます。10.64.2.0/24 宛のパケットが 192.168.50.1 経由のルートになっていることが確認できます。

    Kernel IP routing table
    Destination     Gateway         Genmask         Flags Metric Ref    Use Iface
    default         192.168.XX.XX   0.0.0.0         UG    0      0        0 eth0
    10.64.2.0       192.168.50.1    255.255.255.0   UG    0      0        0 ppp0
    192.168.XX.XX   0.0.0.0         255.255.255.0   U     0      0        0 eth0
    192.168.50.1    0.0.0.0         255.255.255.255 UH    0      0        0 ppp0

動作確認

LTE回線が接続されているか確認する

loginプロンプトから、root でログインします。

その後、ターミナルから、以下のコマンドを入力します。

ip addr show ppp0

IPアドレスが表示された場合はLTE回線が接続されている状態です。エラーが表示された場合はLTE回線が接続されていない状態です。

IIJ IoTサービスへの接続を確認する

ターミナルから、以下のコマンドを入力します。

ping -c 4 gw.iot.iij.jp

pingの応答があった場合は、IoTサービスのサーバーに正常に接続できている状態です。エラーが表示された場合は正しく接続できていない状態です。

IIJ IoTサービスにデータ送信をしてみる

データ送信のために curl コマンドを使用します。デフォルトでは curl コマンドがインストールされていないため、以下コマンドを実行します。

apt install curl

ターミナルから、以下のコマンドを入力します。

curl -v -X POST -H 'Content-type: application/json' http://gw.iot.iij.jp/v1 -d '{"name":"test", "value":100}'

200 OK のレスポンスが返ってくれば、データ送信は正常に終了しています。