[vSphere7.0]分散仮想スイッチの設定

分散仮想スイッチの作成方法、及び標準仮想スイッチから分散仮想スイッチに各ネットワークを移行する方法を説明します。ESXiサーバの提供時点で、標準仮想スイッチ、及び管理ネットワーク、FTネットワーク、vMotionネットワークのVMkernelアダプタは作成されています。

分散仮想スイッチ、及び各サービスネットワーク用の分散ポートグループを作成後、移行してください。

全体の流れは、以下のとおりです。

  1. 分散仮想スイッチの作成
  2. ホストの参加と物理NIC(vmnic0)の割り当て
  3. 分散ポートグループ作成、及び設定
    • 管理ネットワーク用ポートグループ
    • vMotionネットワーク用ポートグループ
    • FTネットワーク用ポートグループ
    • 仮想マシンネットワーク用ポートグループ
  4. サービスネットワーク、及び仮想マシンネットワークの移行

  5. 物理NIC(vmnic1)の割り当て
1.分散仮想スイッチの作成

分散仮想スイッチを作成する方法を説明します。

1.vSphere Clientで vCSAに接続します。

2.「vSphere Client」をクリックし、「ショートカット」より「ネットワーク」をクリックします。

3.「Datacenter」を右クリックし、「Distributed Switch」をクリックし、「新しいDistributed Switch」をクリックします。

「名前と場所」画面が表示されます。

4.任意の「名前」(今回の例では「DSwitch」)を入力し、「次へ」ボタンをクリックします。

「バージョンの選択」画面が表示されます。

5.対象のバージョンを選択し、「次へ」ボタンをクリックします。

・ESXiサーバのバージョンが「VMware vSphere ESXi 7.0 Update1」の場合

「7.0.0-ESXi7.0以降」を選択


・ESXiサーバのバージョンが「VMware vSphere ESXi 7.0 Update3」の場合

「7.0.3-ESXi7.0.3以降」を選択


「設定」画面が表示されます。

6.「アップリンク数」で、vSphere Distributed Switchに紐づける物理アダプタ数(2)を入力後、任意の「ポートグループ名」(今回の例では「DPortGroup」)を入力して、「次へ」ボタンをクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

7.「完了」ボタンをクリックします。

2. ホストの参加と物理NIC(vmnic0)の割り当て

分散仮想スイッチにESXiサーバを追加し、物理NICをアップリンクに割り当てる手順を説明します。

【注意】

本手順では、標準仮想スイッチのアップリンクとして割り当てられている2つのvmnicをひとつずつ分散仮想スイッチへ移行します。

そのため、vmnic0、または vmnic1のみをアップリンクとして利用するポートグループを標準仮想スイッチ上で構成済みの場合は、両vmnicをアップリンクとして利用する設定に変更するなど、本手順による影響が発生しないよう適宜、設定を変更した上でこの設定を行ってください。

1.作成した分散仮想スイッチをクリックし、「アクション」メニューより、「ホストの追加と管理」をクリックします。

「タスクを選択」画面が表示されます。

2.「ホストの追加」を選択し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面が表示されます。

3.「新規ホスト」をクリックします。

「新規ホストの選択」画面が表示されます。

4.分散仮想スイッチに追加するホスト(今回の例では「xhv10565706esx001.dsr.p2.local」)のチェックボックスをチェックし、「OK」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面に戻ります。

5.追加するホストが表示されていることを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「物理アダプタの管理」画面が表示されます。

6.物理NIC(vmnic0)を選択し、「アップリンクの割り当て」をクリックします。 

【注意】

  • 手順6を実施すると、標準仮想スイッチのアップリンクとして割り当てられている2つのvmnicの内の片方が分散仮想スイッチに割り当てられます。そのため、標準仮想スイッチのアップリンクの冗長性が一時的に低下します。
  • 移行が完了するまではvmnic0のみを割り当ててください。

「アップリンクの選択」画面が表示されます。

7.「OK」ボタンをクリックします。

「物理アダプタの管理」画面に戻ります。

8.物理NIC(vmnic0)が、「割り当て済み」であることを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「VMkernelアダプタの管理」画面が表示されます。

9.「NEXT」ボタンをクリックします。

「仮想マシンネットワークの移行」画面が表示されます。

10.「仮想マシンネットワークの移行」のチェックボックスを外して、「NEXT」ボタンをクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

11.「FINISH」ボタンをクリックします。

3.分散ポートグループ作成、及び設定

分散仮想スイッチに分散ポートグループを作成し、設定する方法を説明します。管理ネットワーク、vMotionネットワーク、FTネットワーク、及び仮想マシンネットワークの各ポートグループで共通の作成手順です。

1.「vSphere Client」をクリックし、「ショートカット」より「ネットワーク」をクリックします。次に、データセンターをクリックして、「1.分散仮想スイッチの作成」で作成した分散仮想スイッチ(今回の例では「DSwitch」)を選択します。

2.分散仮想スイッチをクリック後、「アクション」メニューより「分散ポートグループ」クリックし、「新規分散ポートグループ」をクリックします。

「名前と場所」画面が表示されます。

 3.任意のポートグループ名を「名前」(今回の例では「DPortGroup1」)に入力し、「次へ」ボタンをクリックします。

「設定」画面が表示されます。

4.「VLANタイプ」を選択後、「VLAN ID」を入力して、「次へ」ボタンをクリックします。

「VLANタイプ」から、「VLAN」、または「VLANトランク」を選択し、ご契約された各種ネットワークに割り当てられた「VLAN ID」、またはVLAN IDを含むVLANトランクの範囲を入力します。

【参考】

各サービスネットワーク用、及びご契約の仮想マシンネットワーク用の「VLAN ID」の情報は、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 Gen.2 デディケイテッドサーバリソースのコントロールパネルに記載されています。それぞれ、「接続情報」の「VLAN ID」で確認できます。

「設定の確認」画面が表示されます。

5.「完了」ボタンをクリックします。

6.分散ポートグループが作成されたことを確認します。

7.作成した分散ポートグループを右クリックし、「設定の編集」をクリックします。

「設定の編集」画面が表示されます。

8.「チーミングおよびフェイルオーバー」をクリックします。

9.「ロードバランシング」の方式を選択します。

【注意】

仮想化プラットフォーム VWシリーズでご利用になれる「ロードバランシング」方式は以下のいずれかです。これ以外の方式を選択した場合の動作は保証されません。

  • 発信元の仮想ポートに基づいたルート(デフォルト)

  • 送信元MACハッシュに基づいたルート

  • 物理NIC負荷に基づいたルート

  • 明示的なフェイルオーバー順序を使用

10.「ネットワークの障害検出」で「リンク状態のみ」が選択されていることを確認します。

【注意】

仮想化プラットフォーム VWシリーズでご利用になれる「ネットワークの障害検出」方式は、「リンク状態のみ」のみです。

その他の方式を選択した場合の動作は保証されません。

11.分散ポートグループに関するその他の設定は、お客様にて任意の値を設定していただき、「OK」ボタンをクリックし、設定を完了します。

4.サービスネットワーク、及び仮想マシンネットワークの移行

サービスネットワーク、及び仮想マシンネットワークの移行先となる分散ポートグループの作成が完了後、VVMkernelアダプタ、及び仮想マシンネットワークを分散スイッチに移行します。

1.「vSphere Client」をクリックし、「ショートカット」より「ネットワーク」をクリックします。次に、データセンターをクリックして「1.分散仮想スイッチの作成」で作成した分散仮想スイッチを選択します。

2.分散仮想スイッチを右クリックし、「ホストの追加と管理」をクリックします。

「タスクを選択」画面が表示されます。

3.「ホスト ネットワークの管理」にチェックを入れ、「NEXT」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面が表示されます。

4.「接続されたホスト」をクリックします。

「メンバーホストの選択」画面が表示されます。

5.対象のホストのチェックボックスをチェックし、「OK」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面に戻ります。

6.選択したホストが表示されていることを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「物理アダプタの管理」画面が表示されます。

7.何も変更はせずに「NEXT」ボタンをクリックします。

「VMkernelアダプタの管理」画面が表示されます。

8.「他のスイッチ上/未要求」に表示されているVMkernelアダプタ(今回の例では「vmk0」)をクリックし、「ポートグループの割り当て」をクリックします。

「ネットワークの選択」画面が表示されます。

9.対応するポートグループ(今回の例では「D_vmk_Mgmt」)を選択し、「OK」ボタンをクリックします。

10.「他のスイッチ上/未要求」に表示されている残りのVMkernelアダプタにもポートグループを割り当てます。

11.すべてのVMkernelアダプタが正しく再割り当てされたことを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

【参考】

「ソースポートグループ」は、現在接続されている標準仮想スイッチのポートグループ名、「ターゲットポートグループ」は移行先の分散ポートグループ名となります。

管理ネットワーク、vMotionネットワーク、及びFTネットワークそれぞれのVMkernelアダプタが、正しい分散ポートグループに割り当てられていることを確認してください。

「仮想マシンネットワークの移行」画面が表示されます。

12.「仮想マシンネットワークの移行」にチェックを入れます。

13.移行する仮想マシンのネットワークアダプタ(今回の例では「Network adapter 1」)を選択し、「ポートグループの割り当て」をクリックします。

「ネットワークの選択」画面が表示されます。

14.「3.分散ポートグループ作成、及び設定」で作成した、仮想マシンネットワーク用の分散ポートグループを選択し、「OK」ボタンをクリックします。

15.移行する仮想マシンが複数存在する場合は、すべての仮想マシンに対して手順13から14を実行します。

16.仮想マシン名の左に表示されている「▼」マークをクリックし、すべてのネットワークアダプタの「ソースポートグループ」及び「ターゲットポートグループ」に誤りがないことを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

17.「FINISH」ボタンをクリックします。

18.各ネットワークが分散ポートグループに移行されたことを確認します。

5.物理NIC(vmnic1)の割り当て
【注意】

本手順の実施により、標準仮想スイッチからアップリンク用のvmnicがすべて削除されます。

標準仮想スイッチを使用しているVMkernelアダプタ、及び仮想マシンが分散仮想スイッチに移行されたことを確認後、本手順を実行してください。

1.対象の分散仮想スイッチを右クリックして、「ホストの追加と管理」をクリックします。

「タスクを選択」画面が表示されます。

2.「ホストネットワークの管理」を選択し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面が表示されます。

3.「接続されたホスト」をクリックします。

「メンバーホストの選択」画面が表示されます。

4.対象ホスト(今回の例では「xhv10565706esx001.dsr.p2.local」)のチェックボックスをチェックし、「OK」ボタンをクリックします。

「ホストの選択」画面に戻ります。

5.チェックしたホストが表示されていることを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「物理アダプタの管理」画面が表示されます。

6.物理NIC(vmnic1)を選択し、「アップリンクの割り当て」をクリックします。

「アップリンクの選択」画面が表示されます。

7.任意の割り当てるアップリンク(今回の例では「アップリンク2」)を選択し、「OK」ボタンをクリックします。

「物理アダプタの管理」画面に戻ります。

8.選択した物理NICに「割り当て済み」と表示されていることを確認し、「NEXT」ボタンをクリックします。

「VMkernelアダプタの管理」画面が表示されます。

9.「NEXT」ボタンをクリックします。

「仮想マシンネットワークの移行」画面が表示されます。

10.「NEXT」ボタンをクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

11.更新するホスト数と物理アダプタ(物理NIC)数を確認し、「FINISH」ボタンをクリックします。

【注意】

分散仮想スイッチのみが作成された環境では、vCSAの障害などによってOVFテンプレートを再デプロイする場合に備え、「vCSAのOVFテンプレートの再デプロイ」の「本作業の前提条件」に記載されている設定を実施してください。