ANAME仕様
ANAMEは本サービスによる独自拡張レコードタイプです。
DNSの本来の仕様として、ゾーンの頂点(ゾーン名と同名のレコード)にはCNAMEレコードを設定できません。ゾーンの頂点に外部リソースをIPアドレスではなく名前で指定したいといったようなケースでCNAMEのかわりに利用できます。
【参考】
他社のサービスではALIASなどの名称で呼ばれる機能とほぼ同等のものです。
利用方法と制限
ゾーンの頂点(ゾーン名と同名のレコード)にかぎり、一つだけANAMEを設定できます。
ゾーンの頂点以外ではCNAMEを利用してください。
- DNSの応答が動的に変わるCDN等のホスト名はDNSでの負荷分散機能が動作しなくなるため、ANAMEレコードの利用はお勧めしません。なお、ANAMEで指定したホスト名がCNAMEで、CNAMEの正規名が動的な応答を返す場合も同様です。
プライマリ・セカンダリネームサーバとの連携
- 本サービスをセカンダリネームサーバとして使う場合:お客様プライマリネームサーバからANAMEが書かれたゾーンを転送できません。
- 本サービスをプライマリネームサーバとして使う場合:お客様セカンダリネームサーバにはANAMEがA/AAAAレコードに書き換えられたゾーンが転送されます。
動作の仕組み
以下の説明では、「example.jp.」というゾーンの頂点のANAMEレコードに「aname.example.jp.」という値が登録されているものとします。
- 「aname.example.jp.」にA/AAAAレコードが存在しない場合は、「example.jp.」のA/AAAAレコードの問い合わせに空応答を返します。
- 「aname.example.jp.」の名前解決がエラーになる場合は、最後に名前解決が成功した際に得られたIPv4/v6アドレスを引き続き使用します。
- 「aname.example.jp.」にA/AAAAレコード以外のレコードタイプが存在していた場合、ANAMEはA/AAAAレコードで登録されているIPv4/IPv6アドレスのみ応答します。A/AAAAレコード以外のレコードタイプには応答しません。
- 「example.jp.」がDNSSEC署名する設定になっている場合は、「aname.example.jp.」がDNSSEC署名されておらず、厳密には完全性を担保できない場合であっても署名して応答します。
- この動作に了承できない場合は、ANAMEの利用を控えてください。
IPアドレスの応答
「example.jp.」のA/AAAAレコードの問い合わせに、「aname.example.jp.」のIPv4/v6アドレスを応答します。IPアドレスが複数設定されてる場合、A/AAAAごとにそれぞれ4つまで取り込まれます。
設定例)ゾーン名「example.jp.」の頂点にANAMEを設定する場合
| Name | type | value |
|---|---|---|
| example.jp. | ANAME | aname.example.jp. |
| aname.example.jp. | A | 192.0.2.1 |
以下の設定例のように「aname.example.jp.」をNSまたはCNAMEレコードで設定している場合、「aname.example.jp.」の委譲先または正規名の「sub.aname.example.jp.」でA/AAAAレコードが存在していればIPv4/v6アドレスを応答します。
設定例)「aname.example.jp」をNSまたはCNAMEレコードで設定している場合
| Name | type | value |
|---|---|---|
| example.jp. | ANAME | aname.example.jp. |
| aname.example.jp. | NSまたはCNAME | sub.aname.example.jp. |
| sub.aname.example.jp. | A | 192.0.2.1 |
TTLと更新のタイミング
- 本サービスでは、ANAMEレコードで指定された「aname.example.jp」に対する名前解決をTTL値の経過ごとに行います。
- 「example.jp.」のA/AAAAレコードに問い合わせがあったタイミングで「aname.example.jp.」の名前解決が行われるものではありません。
- 「aname.example.jp.」にA/AAAAレコードが存在しない場合、IPアドレス情報は保持されず、次回の名前解決はSOAレコード内の <minttl>に設定されたTTL値を参照します。
- 「aname.example.jp.」をNSまたはCNAMEレコードで設定している場合、委譲先または正規名でA/AAAAレコードが見つかればA/AAAAレコードに登録されているTTL値を参照します。
- 名前解決の最小確認間隔は30秒です。TTL値が30秒未満の場合、 30秒間隔で更新確認を行います。
- ただし、弊社設備及び確認先の権威DNSサーバを保護する目的で、上記以外にも更新間隔を調整する場合があります。