トラフィックコントロールの設定例

用途に応じたトラフィックコントロールの設定例は以下のとおりです。お客様サーバの稼動内容に合わせて監視設定などの設定を行ってください。

active/active構成

同じ機能を持ったサーバを複数用意し、それらを同時に稼動させて処理の負荷分散をはかる構成がactive/active構成です。

  1. サイト設定
    activeサイトをひとつ登録し、そこに複数の稼動サーバをエンドポイントとして設定します。
    それぞれのエンドポイントのWeight値が同じであれば等確率で応答に使われます。Weight値を変えれば重みづけ負荷分散が可能です。
  2. ルール設定
    entry_aとexit_siteを直列に接続します。

上記のように設定すると、正常に稼動しているすべてのエンドポイントのうちのいずれかが応答に使用されます。一部のエンドポイントで監視が失敗した場合、そのエンドポイントのみ応答に使用されなくなり、正常なエンドポイントのみが応答に使用されます。

この例ではIPv4のみを使用していますが、必要に応じてentry_aaaaメソッドとAAAAタイプのexit_siteメソッドを直列に接続したものを追加することでv4/v6の双方でactive/active構成にすることも可能です。

【参考】

この構成では、DNSの問い合わせに対してサイトに登録されたエンドポイントのうちReady StatusがUpのものがひとつ選ばれ、そこに設定されたRDATAが応答されます。Ready StatusがUpであるすべてのエンドポイントのRDATAをまとめて応答するわけではありません。

すべてのエンドポイントのReady StatusがDownになってしまうと、トラフィックコントロールは問い合わせに対して空応答を返し、名前解決ができなくなります。空応答を回避するには下記のソーリーサーバを導入するなどの方法を検討してください。

active/standby構成

通常は稼動系(active)だけを利用し、稼動系に障害が起きた場合に待機系(standby)に処理を切り替える構成がactive/standby構成です。

  1. サイト設定
    稼動系(active)と待機系(standby)のそれぞれを異なるサイトとして設定します。
  2. ルール設定
    failoverメソッドを使って、activeサイト(優先度高)とstandbyサイト(優先度低)を設定します。

上記のように設定すると、稼動系(active)のReady StatusがUpのうちは常にactiveだけが応答に使用され、Downになったときは待機系(standby)が応答に使用されます。

必要に応じてIPv6でも同様の構成を設定してください。

【参考】

稼動系と待機系のReady StatusがどちらもDownになってしまうと、トラフィックコントロールは問い合わせに対して空応答を返し、名前解決ができなくなります。空応答を回避するには、待機系の方はReady Statusが常にUpになるようstatic監視の設定、または下記のソーリーサーバを導入するなどの方法を検討してください。

ソーリーサーバー

active/standby構成の亜種で、activeに障害が発生した際にソーリーサーバ(「障害中のため応答できません」というエラーページを返すだけのサーバ)に切り替える構成です。

  • お客様が構築した独自ソーリーサーバを使用する場合は、ソーリーサーバを上記active/standby構成のstandbyサイトとして設定してください。
  • 弊社が提供する共用ソーリーサーバを使用する場合は、上のactive/standby構成のルール設定で、standbyサイトを応答するexit_siteメソッドのかわりにexit_sorryメソッドを設定してください。ただし、共用ソーリーサーバはHTTP以外(HTTPSは不可)には応答しません。また、エラーページの内容は個別にカスタマイズできません。