Directory SyncとPassword Syncを利用している環境でのADリプレースに伴う作業手順を知りたい

Directory SyncとPassword Syncを併用した環境において、Active Directoryのリプレースを行う際に必要な作業手順を説明します。

作業手順は以下のとおりです。

No.作業内容備考
1既存のDirectory SyncとPassword Syncの設定ファイル(config.yml, secret.yml)をバックアップします
2既存のDirectory Syncの定期実行を停止します
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Active Directoryのリプレースを行います
その際、Active Directoryの新環境すべてにPassword Syncをインストールします

【参考】

Password Syncのインストールについては、「Password Syncのインストール」をご覧ください。

なお、この時点ではPassword SyncのインストールとOSの再起動のみを行ってください

設定ファイルの更新やタスクスケジューラへの登録は行わないでください

  • Password Syncのインストール後はOSの再起動が必要です
  • Password SyncのインストールをActive Directoryのリプレース後に行った場合は、その期間に新環境のActive Directoryにて処理されたパスワード変更がIIJ IDに同期されない恐れがあります
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既存のDirectory Sync環境を廃棄する場合、Active Directoryリプレースの際にActive Directoryの新環境のいずれか1台に対してDirectory Syncをインストールします

【参考】

Directory Syncのインストールについては「Directory Syncのインストールをご覧ください。

なお、この時点ではDirectory Syncのインストールのみを行ってください
設定ファイルの更新やタスクスケジューラへの登録は行わないでください

5Active Directoryのリプレース作業を完了します
6「1.」でバックアップした設定ファイルをActive Directoryの新環境に配置します
7Active DirectoryリプレースによってActive DirectoryサーバのIPアドレスやホスト名の変更がある場合、Directory Syncのconfig.ymlの該当箇所を修正します
  • IPアドレスやホスト名に変更がない場合、本手順はスキップしてください
  • config.ymlを新Active Directoryサーバ群の内容に変更する際、記載するIPアドレスなどで389番ポート(LDAP)もしくは636番ポート(LDAPS)がLISTENしていることを確認してください
    • LISTENしているかはnetstatコマンドなどで確認することができます
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既存のDirectory Sync環境を廃棄する場合、新Active DirectoryサーバにDirectory Syncを実行するアカウントでログオンして「recovery_mode_dry_run.bat」コマンドを実行し、問題なく処理が行われるかを確認します

【参考】

実行ファイルの種類については、「実行ファイルの種類」をご覧ください。

  • 既存のDirectory Sync環境を廃棄しない場合、本作業は不要です。ただし、動作確認として本作業を行っても問題ありません
  • 本作業では、IIJ IDサービスへの同期処理が実行されません
  • Directory Sync のファイル構成については、「ファイル構成」をご覧ください
  • タスクスケジューラで実行させるユーザがWindowsのビルドインのSYSTEMアカウントの場合は、Administratorでログオンして作業してください
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既存のDirectory Sync環境を廃棄する場合、「8.」で問題がなかったことを確認した上で、新Active DirectoryサーバにDirectory Syncを実行するアカウントでログオンして「recovery_mode.bat」コマンドを実行し、IIJ IDへの同期処理が問題なく行われるかを確認します

【参考】

実行ファイルの種類については、「実行ファイルの種類」をご覧ください。

  • 既存のDirectory Sync環境を廃棄しない場合、本作業は不要です。ただし、動作確認として本作業を行っても問題ありません
  • 本作業では、IIJ IDサービスへの同期処理が実行されます
  • 新環境でDirectory Syncを実行させる場合、これ以降は既存のActive Directory環境のDirectory Syncを定期実行しないでください
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任意のDirectory Sync環境にてタスクスケジュールの登録及び定期実行をするか、もしくは定期実行を再開させます

【参考】

Directory Syncのタスクスケジュールへの登録については、「Directory Syncをタスクスケジューラに登録」をご覧ください。

  • 既存環境のタスクスケジューラの設定内容を踏襲してください
  • 冗長構成などで複数環境を用意されていても、Directory Syncの定期実行を有効にする環境は同時に1つのみとしてください
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新環境のすべてのPassword Syncでタスクスケジュールを登録し、定期実行させます
また、既存環境のすべてのPassword Syncの定期実行を再開します(既存環境を廃棄しない場合のみ)

【参考】

Password Syncのタスクスケジュールへの登録については、「Password Syncをタスクスケジューラに登録」をご覧ください。

  • 既存環境のタスクスケジューラの設定内容を踏襲してください
  • Password Syncの定期実行を開始した後、「3.」以降で新規に検知されたADアカウントのパスワード変更がすべてIIJ IDサービスに伝搬されます