ディスク容量拡張設定(LVM)
LVMを利用し、複数のLUをコンカチネーションして容量を拡張する方法を説明します。
FC接続ストレージオプションのLUで構成されたボリュームグループ、論理ボリューム、及びファイルシステムが既に作成されている前提で、追加でご契約いただいたLUを使用して容量を拡張する方法を説明します。
1. 追加でご契約いただいたLUを認識させるsg3_utilsパッケージをインストールします。
【参考】
パッケージをインストールする方法の詳細は、「リポジトリを利用したパッケージの操作」をご参照ください。sg3_utilsパッケージの<パッケージ名>は「sg3_utils」です。
2. 追加でご契約いただいたLUを認識させます。
$ sudo rescan-scsi-bus.sh |
(省略) |
8 new or changed device(s) found. |
[5:0:0:2] |
[5:0:1:2] |
[5:0:2:2] |
[5:0:3:2] |
[12:0:0:2] |
[12:0:1:2] |
[12:0:2:2] |
[12:0:3:2] ─ 「##:#:#:#」の末尾の数字がLU番号です。 |
0 remapped or resized device(s) found. |
0 device(s) removed. |
【参考】
ご契約いただいたFC接続ストレージオプションのLU番号を確認する方法の詳細は、「クラスタタイプの画面詳細」をご参照ください。「クラスタ情報」の「FC接続ストレージオプション詳細」で確認できます。
3. マルチパスデバイス名を確認します。
$ sudo multipath -ll |
360002ac000000000000000d400008213 dm-2 3PARdata,VV ─ 「360002ac000000000000000d400008213」が<マルチパスデバイス名>です。 |
size=100G features='1 queue_if_no_path' hwhandler='1 alua' wp=rw |
`-+- policy='round-robin 0' prio=50 status=active |
|- 5:0:0:2 sdj 8:144 active ready running |
|- 12:0:0:2 sdn 8:208 active ready running |
|- 5:0:1:2 sdk 8:160 active ready running |
|- 12:0:1:2 sdo 8:224 active ready running |
|- 5:0:2:2 sdl 8:176 active ready running |
|- 12:0:2:2 sdp 8:240 active ready running |
|- 5:0:3:2 sdm 8:192 active ready running |
`- 12:0:3:2 sdq 65:0 active ready running |
(省略) |
4. 追加でご契約いただいたLUを、LVM物理ボリュームとして初期化します。
記述書式は、「sudo pvcreate /dev/mapper/<マルチパスデバイス名>」です。
<マルチパスデバイス名>は、手順3.で確認したマルチパスデバイス名です。
$ sudo pvcreate /dev/mapper/360002ac000000000000000d400008213 |
Physical volume "/dev/mapper/360002ac000000000000000d400008213" successfully created |
└─ LUがLVM物理ボリュームとして初期化されると、このように表示されます。 |
【注意】
手順4.~10.は、容量を拡張するファイルシステムをマウントしている物理サーバのみで実施します。2台の物理サーバの両方で実施しないでください。
5. 手順4.で初期化したLVM物理ボリュームを既存のボリュームグループに追加します。
記述書式は、「sudo vgextend <ボリュームグループ名> /dev/mapper/<マルチパスデバイス名>」です。
今回の例では、以降、<ボリュームグループ名>を「vg01」とします。
$ sudo vgextend vg01 /dev/mapper/360002ac000000000000000d400008213 |
Volume group "vg01" successfully extended |
└─ ボリュームグループの容量が拡張されると、このように表示されます。 |
6. ボリュームグループの容量が拡張されていることを確認します。
記述書式は、「sudo vgdisplay <ボリュームグループ名>」です。
$ sudo vgdisplay vg01 |
--- Volume group --- |
VG Name vg01 |
(省略) |
VG Size 199.97 GiB |
(省略) |
7. 論理ボリュームを拡張します。
記述書式は、「sudo lvextend -l <拡張サイズ> /dev/<ボリュームグループ名>/<論理ボリューム名>」です。
今回の例では、以降、<論理ボリューム名>を「lv01」とします。また、拡張したボリュームグループの容量をすべて「lv01」に追加するため、<拡張サイズ>を「+100%FREE」とします。
$ sudo lvextend -l +100%FREE /dev/vg01/lv01 |
Size of logical volume vg01/lv01 changed from 99.98 GiB (25596 extents) to 199.97 GiB (51192 extents). |
Logical volume lv01 successfully resized. |
└─ 論理ボリュームが拡張されると、このように表示されます。 |
8. 論理ボリュームの容量が拡張されていることを確認します。
記述書式は、「sudo lvdisplay /dev/<ボリュームグループ名>/<論理ボリューム名>」です。
$ sudo lvdisplay /dev/vg01/lv01 |
--- Logical volume --- |
LV Path /dev/vg01/lv01 |
(省略) |
LV Size 199.97 GiB |
(省略) |
9. ファイルシステムタイプに応じたコマンドを実行し、ファイルシステムの容量を拡張します。
記述書式は、「sudo resize2fs /dev/<ボリュームグループ名>/<論理ボリューム名>」です。
今回の例では、ext4でフォーマットされたファイルシステムを拡張します。
$ sudo resize2fs /dev/vg01/lv01 |
resize2fs 1.42.9 (28-Dec-2013) |
Filesystem at /dev/vg01/lv01 is mounted on /mount1; on-line resizing required |
old_desc_blocks = 13, new_desc_blocks = 25 |
The filesystem on /dev/vg01/lv01 is now 52420608 blocks long. |
10. ファイルシステムの容量が拡張されていることを確認します。
$ df -h |
(省略) |
/dev/mapper/vg01-lv01 197G 60M 188G 1% /mount1 |
11. クラスタタイプ RHELの2台の物理サーバのうち、手順4.~10.までの容量拡張を行っていない2台目の物理サーバでLVMのメタデータデーモンを再起動し、容量拡張を認識させます。
RHEL 6、及びRHEL 8の場合は、手順12.に進みます。
RHEL 7の場合は、以下のコマンドを実行します。
$ sudo systemctl restart lvm2-lvmetad.service |
12. クラスタタイプ RHELの2台の物理サーバのうち、手順4.~10.までの容量拡張を行っていない2台目の物理サーバで、論理ボリュームの容量拡張が認識されていることを確認します。
$ sudo lvdisplay /dev/vg01/lv01 |
--- Logical volume --- |
LV Path /dev/vg01/lv01 |
(省略) |
LV Size 199.97 GiB |