[vSphere 6.5]ベースセット/VWのアップグレード前作業

ベースセット/VWをアップグレードする前の作業を説明します。対象は、以下のとおりです。

手順(A)分散仮想スイッチの設定のエクスポート

分散仮想スイッチの設定をエクスポートする方法を説明します。

1.VMware vSphere Web Clientを使用し、統合管理サーバに接続します。

2.「ホーム」 > 「インベントリ」 > 「ネットワーク」をクリックします。

3.設定をエクスポートする分散仮想スイッチを右クリック後、「設定」>「設定のエクスポート」をクリックします。

「設定のエクスポート」画面が表示されます。

4.「Distributed Switchとすべてのポートグループ」を選択し、「OK」をクリックします。

「設定のエクスポートの確認」画面が表示されます。

5.「はい」をクリックします。

ダウンロード先を選択する画面が表示されます。

6.「保存する場所」を選択後、任意のファイル名を入力して、「保存」をクリックします。

指定したファイル名のzipファイルが保存されます。

7.指定した保存先に、指定したファイル名のzipファイルが保存されていることを確認します。

このzipファイルが、分散仮想スイッチの設定です。

8.分散仮想スイッチの設定を、統合管理サーバ以外の任意の場所に退避します。

手順(B)仮想マシン用の仮想ネットワークを標準仮想スイッチに移行

ベースセット/VWのアップグレードにより、分散仮想スイッチの設定が削除されるため、仮想マシンを一時的に標準仮想スイッチに退避させます。

分散仮想スイッチの物理NICが冗長化されている想定で、仮想マシン用の仮想ネットワークを利用する仮想マシンを、一時的に分散仮想スイッチから標準仮想スイッチに移行する方法を説明します。

【参考】

以下のサイト、及びプールのVMware vSphere ESXiサーバでは、仮想マシン用の仮想ネットワークと一部のサービスネットワークで物理NICを共有しています。そのため、これらのサービスネットワークも標準仮想スイッチに退避していただく必要があります。

・vMotionネットワーク、FTネットワーク

・IPストレージネットワーク

vMotionネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行     

FTネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行 

IPストレージネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行 

標準仮想スイッチの作成

1.分散仮想スイッチに所属しているすべてのVMware vSphere ESXiサーバで、分散仮想スイッチ上の仮想マシン用の仮想ネットワークに相当する仮想ネットワークを、標準仮想スイッチに作成します。

【注意】

  • 標準仮想スイッチの作成時、物理NICを追加せずに作成してください。
  • 分散仮想スイッチの仮想マシン用の仮想ネットワークと同一のVLAN IDを使用ください。

【参考】

標準仮想スイッチ、及び仮想マシン用の仮想ネットワークの作成方法の詳細は、以下のリンク先をご参照ください。

分散仮想スイッチで利用していた物理NICを標準仮想スイッチに移行

分散仮想スイッチで利用していた物理NICを1つ、一時的に標準仮想スイッチに退避する方法を説明します。

【注意】

物理NICを1つ移行することで、物理NICの冗長性が失われます。

1.VMware vSphere Web Clientを使用し、統合管理サーバに接続します。

2.「ホーム」をクリック後、「インベントリ」をクリックして、「ネットワーク」をクリックします。

3.分散仮想スイッチを選択後、「アクション」をクリックして、「ホストの追加と管理」をクリックします。

「ホストの追加と管理」画面が表示されます。

4.「ホスト ネットワークの管理」を選択し、「次へ」をクリックします。

「ホストの選択」画面が表示されます。

5.「接続されたホスト」をクリックします。

「メンバーホストの選択」画面が表示されます。

6.対象のホストのチェックボックスをチェックし、「OK」をクリックします。

対象のホストが表示されます。

7.対象のホストが表示されていることを確認し、「次へ」をクリックします。

「ネットワークアダプタタスクの選択」画面が表示されます。

8.「物理アダプタの管理」のチェックボックスをチェックし、「次へ」をクリックします。

「物理アダプタの選択」画面が表示されます。

9.Uplinkとなっている物理NICが、対象のホストごとに2つずつあることを確認します。

10.対象のホストごとに、標準仮想スイッチに移行する物理NICを1つ選び、「アダプタの割り当て解除」をクリックし、移行対象の物理NICを未割り当てにします。

11.対象のホストごとに、標準仮想スイッチに移行する物理NICを1つ未割り当て状態となっていることを確認し、「次へ」をクリックします。

「影響の分析」画面が表示されます。

12.「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

13.「完了」をクリックします。

「監視」タブの「問題」をクリックすると、手順4.で選択したホストに、「ネットワーク アップリンクの冗長性が失われました」というアラートが表示されていることが確認できます。

【注意】

選択したホスト上に仮想マシンが存在しない場合は、この警告は表示されません。

次に、手順6.で選択した物理NICを、「標準仮想スイッチの作成」で仮想ネットワークを作成した標準仮想スイッチに追加します。

14.「標準仮想スイッチの作成」で仮想ネットワークを作成した標準仮想スイッチ(今回の例では、「vSwitch2」)を選択し、「」(選択したスイッチに接続された物理ネットワークを管理します)をクリックします。

「物理ネットワークアダプタの管理」画面が表示されます。

15.「」(アダプタを追加)をクリックします。

「スイッチに物理アダプタを追加する」画面が表示されます。

16.「OK」をクリックします。

17.「有効なアダプタ」に物理NIC(図ではvmnic2)が存在することを確認後、「OK」をクリックします。

18.標準仮想スイッチ(今回の例では、「vSwitch2」)に、物理NICが追加されたことを確認します。

19.対象のホストすべてで、手順10.~16.を実施します。

仮想ネットワークを標準スイッチへ移行

次に、分散仮想スイッチに存在する仮想マシン用の仮想ネットワークを、標準仮想スイッチに移行します。

【注意】

移行する際に、一時的に仮想マシンとの接続が切断される可能性があります。

1.「ホーム」をクリック後、「インベントリ」をクリックして、「ネットワーク」をクリックします。次に、対象の分散仮想スイッチをクリックし、「アクション」をクリックして、「仮想マシンを別のネットワークへ移行」をクリックします。

「ソースとターゲットのネットワークの選択」画面が表示されます。

2.移行する仮想マシンのネットワークに関する項目を設定し、「次へ」をクリックします。

移行する仮想マシンのネットワークに関する設定項目は、以下のとおりです。

項目内容
ソースネットワーク移行する仮想マシンが所属する分散仮想スイッチの仮想マシン用の仮想ネットワークを選択します。
ターゲットネットワーク手順1.で作成した仮想ネットワーク(今回の例では「VM_Network」)を選択します。

「移行する仮想マシンの選択」画面が表示されます。

3.移行する仮想マシンのチェックボックスをチェックし、「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

4.「完了」をクリックします。

5.「標準仮想スイッチの作成」で作成した仮想ネットワークへ、仮想マシンが移行されていることを確認します。

サービスネットワークの移行

以下のプールをご利用の場合は、サービスネットワークを分散仮想スイッチから、標準仮想スイッチに移行します。以下の手順を実施してください。

【参考】

上記以外のプールをご利用の場合、または、サービスネットワークをVMware vSphere ESXiサーバで分散仮想スイッチをご利用になっていない場合は、「分散仮想スイッチで利用していたもう一方の物理NICを標準仮想スイッチに移行」に進みます。

vMotionネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行

プール2、及びプール4のVMware vSphere ESXiサーバで分散仮想スイッチをご利用の場合に、vMotionネットワークのVMkernelネットワークアダプタを、一時的に標準仮想スイッチに退避する方法を説明します。

1.「ホーム」をクリック後、「インベントリ」をクリックして、「ホストおよびクラスタ」をクリックします。次に、対象のVMware vSphere ESXiサーバ(今回の例では、「xxx.pri.p2.local」)を選択します。

2.「管理」タブの「ネットワーク」をクリックし、標準仮想スイッチ(図では、vSwitch2)をクリックします。次に、「」(VMkernelネットワークアダプタを選択したスイッチに移行します)をクリックします。

「VMkernelネットワークアダプタの選択」画面が表示されます。

3.vMotionネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk2」)をクリックし、「次へ」をクリックします。

「設定」画面が表示されます。

4.任意の「ネットワークラベル」、及びご契約いただいたvMotionネットワークに割り当てられた「VLAN ID」を入力し、「次へ」をクリックします。

【参考】

vMotionネットワークでご利用になれる「VLAN ID」は、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 プライベートリソースのコントロールパネルに記載されています。詳細は、「ベースセット/VW詳細情報」をご参照ください。「サービスネットワーク情報」タブをクリック後、vMotionネットワークに記載された「VLAN ID」で確認できます。

「影響の分析」画面が表示されます。

5.「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

6.「完了」をクリックします。

7.標準仮想スイッチ(今回の例では、「vSwitch2」)に、vMotionネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk_vMotion_vSwitch2」)が追加されたことを確認します。

8.対象のホストすべてで、手順1.~7.を実施します。

FTネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行

プール2、及びプール4のVMware vSphere ESXiサーバで分散仮想スイッチをご利用の場合に、FTネットワークのVMkernelネットワークアダプタを、一時的に標準仮想スイッチに退避する方法を説明します。

1.「ホーム」をクリック後、「インベントリ」をクリックして、「ホストおよびクラスタ」をクリックします。次に、対象のVMware vSphere ESXiサーバ(今回の例では、「xxxxx.pri.p2.local」)を選択します。

2.「管理」タブの「ネットワーク」をクリックし、移行先の標準スイッチ(図では、vSwitch2)をクリックします。次に、「」(VMkernelネットワークアダプタを選択したスイッチに移行します)をクリックします。

「VMkernelネットワークアダプタの選択」画面が表示されます。

3.FTネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk3」)をクリックし、「次へ」をクリックします。

「設定」画面が表示されます。

4.任意の「ネットワークラベル」、及びご契約いただいたFTネットワークに割り当てられた「VLAN ID」を入力し、「次へ」をクリックします。

【参考】

FTネットワークでご利用になれる「VLAN ID」は、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 プライベートリソースのコントロールパネルに記載されています。詳細は、「ベースセット/VWの画面詳細」をご参照ください。「サービスネットワーク情報」タブをクリック後、FTネットワークに記載された「VLAN ID」で確認できます。

「影響の分析」画面が表示されます。

5.「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

6.「完了」をクリックします。

7.標準仮想スイッチ(今回の例では、「vSwitch2」)に、FTネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk_FT_vSwitch2」)が追加されたことを確認します。

8.対象のホストすべてで、手順1.~7.を実施します。

続けて、「分散仮想スイッチで利用していたもう一方の物理NICを標準仮想スイッチに移行」を実施してください。

IPストレージネットワークのVMkernelネットワークアダプタを標準仮想スイッチに移行

分散仮想スイッチをご利用の場合に、IPストレージネットワークのVMkernelネットワークアダプタを、一時的に標準仮想スイッチに退避する方法を説明します。

1.「ホーム」をクリック後、「インベントリ」をクリックして、「ホストおよびクラスタ」をクリックします。次に、対象のVMware vSphere ESXiサーバ(今回の例では、「ehv99886313esx001.pri.p2.local」)を選択します。

2.「管理」タブの「ネットワーク」をクリックし、移行先の標準スイッチ(図では、vSwitch 1 )をクリックします。次に、「」(VMkernelネットワークアダプタを選択したスイッチに移行します)をクリックします。

「VMkernelネットワークアダプタの選択」画面が表示されます。

3.IPストレージネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk3」)をクリックし、「次へ」をクリックします。

「設定」画面が表示されます。

4.任意の「ネットワークラベル」、及びご契約いただいたIPストレージネットワークに割り当てられた「VLAN ID」を入力し、「次へ」をクリックします。

【参考】

IPストレージネットワークでご利用になれる「VLAN ID」は、IIJ GIOインフラストラクチャーP2 プライベートリソースのコントロールパネルに記載されています。詳細は、「ベースセット/VWの画面詳細」をご参照ください。「サービスネットワーク情報」タブをクリック後、IPストレージネットワークに記載された「VLAN ID」で確認できます。

「影響の分析」画面が表示されます。

5.「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

6.「完了」をクリックします。

7.標準仮想スイッチ(今回の例では、「vSwitch 1 」)に、IPストレージネットワークのVMkernelネットワークアダプタ(今回の例では、「vmk3_NFS_vSS」)が追加されたことを確認します。

8.対象のホストすべてで、手順1.~7.を実施します。

分散仮想スイッチで利用していたもう一方の物理NICを標準仮想スイッチに移行

1.すべての仮想マシン、vMotionネットワーク、FTネットワーク、及びIPストレージネットワークの移行が完了した後、もう一方の物理NICを標準仮想スイッチに移行します。

分散仮想スイッチで利用していた物理NICを標準仮想スイッチに移行」の手順1.~7.を繰り返した後、もう1つの物理NICのチェックボックスのチェックを外して、「次へ」をクリックします。

「物理ネットワークアダプタの管理」画面が表示されます。

2.対象のホストごとに、標準仮想スイッチに移行する物理NICを1つ選び、「アダプタの割り当て解除」をクリックし、移行対象の物理NICを未割り当てにします。

3.対象のホストごとに、標準仮想スイッチに移行する物理NICを1つ未割り当て状態となっていることを確認し、「次へ」をクリックします。

「警告」画面が表示されます。

4.「OK」をクリックします。

5.「次へ」をクリックします。

「設定の確認」画面が表示されます。

6.「完了」をクリックします。

7.手順1.で選択した物理NICを対象に、「分散仮想スイッチで利用していた物理NICを標準仮想スイッチに移行」の手順10.~17.を繰り返し、標準仮想スイッチに2つ目の物理NICを追加します。

8.標準仮想スイッチが2つの物理NICで構成されていることを確認します。

手順(C)分散仮想スイッチからのVMware vSphere ESXiサーバの削除

分散仮想スイッチからVMware vSphere ESXiサーバを削除します。

【参考】

VMware vSphere ESXiサーバの削除方法の詳細は、「分散仮想スイッチからのVMware vSphere ESXiサーバの削除」をご参照ください。